最近、家具やお部屋に凝る方の注目を集めている”照明器具”。「照明でガラッと雰囲気を変えたい」「行き付けのカフェにありそうなお洒落な照明器具がほしい」、そんなときにおすすめなのがダクトレール照明です。照明の形やデザイン、光の広がり方など選ぶ幅が広く、自由自在にアレンジできるので、照明選びが楽しくなること間違いなし。
ダクトレール照明ってなんだ?というところから、ダクトレール照明の付け方、照明の種類まで幅広くご紹介いたします。
ダクトレールとは
「ダクトレール」とは、バー状に照明器具を取り付ける部品のことです。別名ライティングレールとも言います。
レールの内側全体に電流が通っていて、レール上のどこの位置でも取り付けが可能です。もともとダクトレール照明は店舗や舞台などで使われているものでしたが、最近は家庭でも使用する方が増えてきています。
家庭でも簡単にダクトレールを取り付けられる?
最近では、ほとんどの家庭にある「シーリング」や「ローゼット」と呼ばれる電気配線の接続部分に設置できる専用の簡易取付ダクトレールが販売されています。これを使えば電気工事をおこなうことなく、自分で簡単に取り付けが可能になります。
簡易取付ダクトレールが設置できれば、そこにスポットライトやペンダントライトなどの照明器具が取り付けられます。
簡易取付ではないダクトレールに取り変えたい場合は、電気屋さんに相談してみましょう。条件を確認のうえ、OKであればダクトレールの取り換え工事をしてもらえます。
ダクトレールは優秀!知っておきたい3つのポイント
①レールの長さは自分のお好みで
ダクトレールの長さは1m、2m、3mとお部屋に合った長さを選べます。それだけにとどまらず、なんとダクトレールはお好みの長さにカットできるんです。例えば…
例1) 50㎝にしたい場合・・・1mのダクトレールを50㎝の長さにカット!
例2) 1m80㎝にしたい場合・・・2mのダクトレールを20㎝の長さだけカット!
やり方は簡単、ノコギリでギコギコするだけ。自分の部屋に合わせて、長さ調節ができる優れものなのです!
②配置場所が自由自在
ダクトレールは1本でも2本並列でも、おうちに合わせて自由な配置ができます。十字型、四角型、L字型、コの字型と置き方のバリエーションはさまざま。電気の線さえ確保できれば、いろいろな配置でダクトレールを取り付けることが可能になります。
電気を通すことができれば壁や柱にも取り付けができるので、インテリアショップのような照明の使い方を楽しむのも良いですね。
③レール1本あたりの照明の数とワット数について
照明の数は、レールの長さやお部屋の明るさによって個人差があります。では、1本のレールにつき最大何個照明をつけられるのでしょうか。
まず、最大ワット数(ワット、以下“W”と表記)について見ていきましょう。ダクトレール1本あたり1500Wまで電力の使用ができます。
【スイッチ1個の場合】
ダクトレール 1本で最大の1500Wまで
ダクトレール 2本合わせて1500Wまで
【スイッチ2個の場合】
ダクトレール各1本ずつで1500W×2(3000Wまで使用可能)
一般的な電球は、25W、40W、50W、60W、100Wと明るさによってワット数が違います。100Wの電球15個分が1500Wと考えるとわかりやすいですね。
広いリビング15畳では600W程が適度な明度と言われています。寝室が8畳だとすれば、300W程度。最大1500Wって電力がかなり大きいんですね。
ダクトレールのメリット・デメリット
一般に普及している天井付け照明は、天井位置から光を照らしているため光の範囲が広く、部屋全体の明るさが均一になります。では、ダクトレールは天井付け照明とは何が違うのでしょうか。ダクトレール照明のメリット・デメリットを見ていきましょう。
ダクトレールのメリット
・照明が暗いな、少ないと思ったら後から付け足せる
・LDKなど広い空間に有効的
・レイアウトや雰囲気を変更する際に、照明を付け替えられる
・取り外しが簡単でシンプル
・1つのスイッチから複数の照明が付けられる
・照明を選ぶ幅が広がる
・レールに照明以外のものも取り付けられる
ダクトレール照明は美容院やファッション・カフェの店舗などに広く使われているため、自宅に居ながらカフェにいるような気分が味わえるのもメリットといえます。植物を吊るしたり、照明を変えたり、付け足したりと後からアレンジができるのもうれしいですね。
ダクトレールのデメリット
・ダクトレールの見た目が選べない
・ダクトレールの色が黒または白の2色に限られる
・天井が純白だと配線ダクトの白が少し浮いて見える
上記の点が気になる人にとってはデメリットになってしまうかもしれません。
「デメリットが少ないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、『リノベる。』のデザイナーに聞いてもデメリットが思いつかないほど、ダクトレールは使い方によって何でもできる有能な存在なんです。
ダクトレール照明の取り付け方
では、ダクトレールに照明を取り付けるには、どうしたらよいのでしょうか。
ひとひねりで取付かんたん!
必要なもの
・ダクトレール用コネクター(ホームセンター等で購入可能)
・自分好みの照明器具
手順
1. ダクトレール専用プラグを用意します。
2. コードを装着します。
3. 専用プラグをダクトレールに付けて回します。
4. 完成です。このまま照明の移動も可能です。
※ダクトレールの電気容量は1500Wです。複数付ける場合は合計ワット数を確認しましょう。
照明の付け方はたったこれだけです。簡単ですね!
ダクトレールに取り付けるペンダントライト&スポットライトの特徴・効果
ダクトレール照明でよく使われるのが、ペンダントライトとスポットライト。それぞれのデザイン性や明るさ、光の広がり方・当たり方など特徴・効果をご紹介します。
ペンダントライト
名前のとおり、ペンダントのように吊り下げられている照明のことです。電球の周りに笠(シェードともいう)がついているものは種類が豊富で、さまざまなテイストが楽しめます。
シェードがあると照らしたい部分だけを効果的に照らしてくれるので、明かりで雰囲気を作れるのも特徴のひとつです。余計な光を発散してくれ、やわらかい光で衣装照明としても使われています。シェードの広がり方によっては光の範囲が狭くやや暗めに感じることがありますが、ガラスや針金を用いた透明なシェードにする、電球をそのまま使うなどの対処法で解決できます。
スポットライト
特定の場所に集中して、強い光を当てるためにつくられた照明です。照明の角度が自由に変えられるので、高い位置から光をあてることができます。天井と同色のスポットライトを選ぶとナチュラルに、黒などのくっきりしたカラーを選ぶとアクセントになります。インテリアや壁などをピンポイントに照らし、印象的な演出を作れるのが特徴です。スポットライト自体のデザインはシンプルなものがおすすめ。お部屋をすっきり、スマートに見せられますよ。
ダクトレール照明の魅力に気づいたら…
照明は、形・デザインなど本当にたくさんの種類があります。大きさや光の加減によって、お部屋の雰囲気を大きく変える存在といっても過言ではありません。それぞれのお部屋に合わせて、種類の異なる照明を使い分けて楽しんでみるのもおもしろいです。
お部屋のテイストを引き立てる
ダクトレール本体にバリエーションはありませんが、黒を選ぶか白を選ぶかだけでも、壁や天井のスタイルによっては全く異なる表情を見せてくれます。
例えば、白い天井に黒いダクトレール。全体的に白いお部屋で黒のダクトレールを使うことにより、壁の躯体あらわし(建物の構造がむき出し)と室内窓が浮くことなく、お部屋のポイントとして映えますね。
こちらは、躯体あらわし(建物の構造がむき出し)の天井に黒いダクトレールです。同じ黒のダクトレールとスポットライトですが、天井や壁の色や素材感、お部屋全体のスタイルによって見え方が違います。
街中のお店に少し目を凝らして見ると、意外とお部屋づくりのアイデアが見つかるかもしれません。これからリノベーションを考えている方は、自分の好きなテイストや家具、お部屋の雰囲気に合わせて照明選びを楽しんでみてはいかがでしょうか。