2LDKの間取りでリノベーションしたいけれど、どのくらい費用がかかるのか、気をつけるべきポイントはあるのかなど、気になる方もいらっしゃるでしょう。本記事では、マンションの場合を中心に2LDKの間取りでリノベーションしたいと考えている方に向けて、費用の目安やポイント、事例をご紹介します。
2LDKの間取りの特徴
2LDKとは、リビングダイニングキッチンのほかに2部屋あり、LDKは10畳以上の広さがある間取りです。平米数にすると、約16.2㎡以上となります。リノベーションの場合、間取りの自由度が高いため、LDKを一般的な面積より広めにして2LDKをつくることも可能です。
また、似たような間取りに2DKがあります。個室がふたつある点は同じですが、キッチンのあるスペースの広さが違います。DKはダイニングキッチン、LDKはリビングダイニングキッチンのことを指し、それらのスペースが6畳以上10畳未満の場合は2DK、10畳以上ある場合は2LDKとなります。
なお、DKとLDKの広さの目安は不動産公正取引協議会により、以下のように定められています。
居室(寝室)数 | DK | LDK |
---|---|---|
1部屋 | 4.5畳以上 | 8畳以上 |
2部屋以上 | 6畳以上 | 10畳以上 |
2LDKが向いている人と使い方
2LDKは個室がふたつあるため、一般的には、ふたり暮らしや子供がひとりいる3人家族が住みやすい間取りです。しかし、工夫次第では4人家族や、ひとり暮らしの方にもおすすめだといえます。それぞれのパターン別に2LDKの使い方をご紹介します。
ふたり暮らし
2LDKはカップルや夫婦のふたり暮らしにおすすめの間取りです。ひと部屋は寝室、もうひと部屋は趣味の部屋や仕事部屋のように使うことができます。また、それぞれ個室を持ちたい場合にもよいでしょう。ふたり暮らしだと2LDKはゆとりのある居住空間になります。
ファミリー(3人家族)
2LDKは、子供がひとりと夫婦の3人家族にもおすすめの間取りです。ふたつある部屋をそれぞれ、夫婦の寝室と子供部屋に分けて使うケースが多いです。
ファミリー(4人家族)
2LDKは工夫次第で4人家族でも住むことができます。たとえば子供がふたりいる場合、ひと部屋は夫婦の寝室、もうひと部屋は子供部屋として使います。子供部屋は可変性のある仕切りを設ければ、子供が成長して個室が必要になった場合も、それぞれのプライベート空間をつくることができます。
ひとり暮らし
ひとり暮らしで2LDKに住む場合は、空間の使い分けができます。たとえば、ひと部屋は寝室に、もうひと部屋はテレワーク時の仕事部屋や趣味の部屋にするなど、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
2LDKのリノベーション費用
2LDKにリノベーションするにあたり、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。費用の目安と、何に費用がかかるのかも知っておくことで、予算をイメージしやすくなります。
費用を考える前に知っておきたいポイント
まずリノベーション費用は、以下のような条件により変わるため、幅広いという点をおさえておきましょう。
- 面積:施工面積が広ければ、そのぶん資材が必要
- 工事の規模:床や壁、天井をすべて撤去し、骨組みの状態から間取りをつくるスケルトンリノベーションのほうが、クロス張り替えなどの表層替えよりも費用が高くなる
- 素材や設備のグレード:たとえば床材であれば、複合フローリングよりも無垢材のほうが高価など、素材のグレードにより価格が変わる
- エリア:地域ごとに職人の工賃が異なる
間取りもリノベーション費用に影響する要素のひとつです。部屋数が増えると、そのぶん壁や建具などが増えるため費用が高くなる傾向にあるからです。しかし、同じ2LDKでも面積が異なれば、費用は大きく変わります。そのため、2LDKの費用目安を知りたい場合は、間取りよりも1㎡あたりの費用相場で考えるとよいでしょう。
2LDKのリノベーション費用の目安
マンションのリノベーションにかかる費用の相場は、1㎡あたり、平均で15万円前後です。2LDKの広さは50㎡以上が多いため、だいたい50㎡~100㎡の広さだと考えると、リノベーション費用の目安は750万円~1,500万円程度になります。
また大幅なレイアウト変更を行ったり、設備や建具のグレードにこだわったりすると、1㎡あたり25万円程度といわれています。その場合のリノベーション費用は、50㎡~100㎡で、1,250万円~2,500万円程度かかるでしょう。
あくまで目安の費用ですが、同じ施工範囲でもリノベーションの内容によって費用の差が生まれます。したがって、予算に応じて、こだわる部分を検討するとよいでしょう。
2LDKのリノベーション工事の内容
リノベーションで間取りを変更したい場合は、床や壁、天井などを取り払い、骨組みの状態にするスケルトンリノベーションを行うことが多くあります。マンションでは、コンクリートがむき出しになる状態にして、一から間取りをつくり直します。
壁材に遮音性のある資材を用いたり、バリアフリーにしたりと機能性を高めることも可能です。そのほかには、以下のような設備工事や電気工事、内装工事などを行います。
- 設備工事…排水口やボイラーの新設、キッチンやお風呂場をリノベーションする際に必要な工事
- 電気工事…照明やスイッチプレートの設置、電気設備資材に関して必要な工事
- 塗装工事…壁や天井、建具などの塗装を施す工事
- 内装工事…主に壁紙や床材を施工する際に必要な工事
なおマンションの場合、共用部分はリノベーションできないため注意が必要です。事前に管理組合に工事可能な範囲を確認しておきましょう。
2LDKのリノベーション事例をご紹介
さまざまな工夫が施されている2LDKのリノベーション事例をご紹介します。
低めの壁で仕切ったアトリエが印象的なおうち
ご夫婦とお子様ふたりのご家族の事例です。内装はシンプルで自然を感じる素材、形、色をベースにまとめられています。リビングの続きには家族のアトリエスペースを設置。読書や勉強をしたり、遊び場にしたりと使い方はさまざまです。また、アトリエスペースは低めの曲線の壁で仕切られており、集中できる空間をつくりながらも、洗面室へ光を取り込むことができています。家族4人で寝室として使っている部屋は、将来、お子様それぞれの個室にできるようにあらかじめドアをふたつ設置しています。
ロフトとインナーテラスが魅力的なおうち
ロフトとインナーテラスが特徴的なこちらのおうち。ロフトでは読書をしたり、遊んだりと、いろいろな使い方ができるのが魅力的です。まるで秘密基地のようで、遊びにきたお友達にも人気だそう。インナーテラスの上部には、カラフルなうんていが取り付けられており、遊び、筋トレ、洗濯物の室内干しを行うこともできます。
ふたつに分けられるように設計された子供部屋
ご夫婦とお子様ふたりのご家族のお住まいです。子供部屋は将来ふたつに分けられるよう、照明は2箇所に設置。扉も両引き戸にするなど、子供の成長を見据えて設計されています。キッチンとリビング、ウォークインクローゼットの3箇所に収納を設置し、スッキリと暮らせる工夫がされたお部屋になっています。
おもてなしの気持ちがあふれる2LDK
こちらのおうちでは、玄関の正面に「ウェルカム・キッチン」を設置。料理を囲んで来客をもてなせます。また、料理をする人と食べる人が同じ目線で会話できるように、キッチンカウンターと同じ高さの造作テーブルをつくりました。
寝室は引き戸で部屋を分けられる仕様に。普段は広い1部屋として使い、泊まり客があるときには2部屋にできます。洗面台もプライベート用と来客用でふたつあるなど、おもてなしの心が詰まった住まいになりました。
暮らしやすさにもこだわった、北欧スタイルの2LDK
北欧スタイルのインテリアでまとめられた、こちらのおうち。マンションの隣が学校のため、騒音が気になりましたが、二重窓を採用することで、その不安は解消。気密性も上がり快適な居住空間が生まれました。ウォークインクローゼット(WIC)は、ドアを使わず、北欧風のカーテンで代用。コストカットにもつながっています。ご夫婦のインテリアへのこだわりを感じられるリノベーション事例です。
まとめ
2LDKのリノベーションについて、知っておきたい費用やポイント、事例をご紹介しました。一般的に2LDKは、2〜3人家族で住むのに適した間取りとされています。取り外し可能な引き戸のような可変性のある建具を使うなど、工夫次第では4人家族の場合も快適に暮らせます。ぜひ今回ご紹介した事例も参考にしながら、理想の住まいをつくってください。