3DKのマンションを1LDKや2LDKなど、別の間取りの部屋にリノベーションするには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。また、どのような点に注意すればよいのでしょうか。今回はそんな疑問を解消できるよう、費用の目安や注意点について解説。実際の事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
3DKから別の間取りにリノベーションするメリット
3DKは、独立した居室が3つあり、ファミリーにも人気の間取りです。子供がふたりいれば、それぞれに部屋を持たせることもできます。子供ひとりの場合では夫婦それぞれが部屋を持つことも可能です。
なお「LDK」はリビングダイニングキッチン、「DK」はダイニングキッチンを指します。このDKとLDKの違いは「最低限の広さ」で、不動産公正取引協議会連合会によれば、目安は以下のように定められています。
居室(寝室)数 | DK | LDK |
---|---|---|
1部屋 | 4.5畳以上 | 8畳以上 |
2部屋以上 | 6畳以上 | 10畳以上 |
この点をふまえ、3DKの間取りをリノベーションによって1LDKや2LDKにした場合に、どのようなメリットがあるかご紹介します。
1LDKにする場合
1LDKにする場合のメリットとしてまず挙げられるのは、空間が見渡せるため開放感があることでしょう。また、3DKに比べて部屋が細かく分かれていないため、小さいお子様がいる場合には、目も届きやすく安心でしょう。そのほか、広いスペースでひとり暮らしをしたい人、同棲を始めるカップルなどにもおすすめの間取りです。
2LDKにする場合
2LDKの間取りにすると、寝室以外にもうひとつ居室を確保できます。また、家族が増えたり友人が訪れたりしてもスペースに余裕があり、テレワークになった場合でも作業スペースを確保しやすいでしょう。
3DKの部屋をリノベーションする際の費用目安
3DKの部屋を別の間取りの部屋にリノベーションしたいと考えたときに、気になるのが費用です。一般的には、以下のような条件によってリノベーション費用は異なります。
施工面積
工事の規模
素材や設備のグレード
エリア(地域ごとの人件費の違いなど)
したがって、間取りごとに費用が決まっているわけではありません。ただし、部屋数が増えると、そのぶん壁や建具などが増え、資材の費用が高くなる傾向にあります。このように、リノベーションの費用はさまざまな条件によって異なりますが、面積ごとの費用相場を知っておくと予算を把握しやすくなるでしょう。ここでは、3DKの一般的な面積からおおよその費用相場をご紹介します。
一般的な費用相場
3DKの一般的な広さは50㎡~60㎡で、この面積でのリノベーションの費用相場は750~900万円程度です(15万円/㎡)。しかし、大幅なレイアウト移動や設備、建材にこだわる場合には費用は高くなります。1,250万~1,500万円程度(25万円/㎡)で見積もっておいたほうがよいでしょう。
3DKの部屋をリノベーションする場合に必要な工事内容
3DKの部屋を1LDKなど別の間取りにリノベーションする際には、主に以下のような工事が必要になります。
間仕切り壁や天井などの撤去、設置
建具や収納の設置
水回り設備の移動、設置
まず、もともとあった壁や天井などを撤去、追加する工事が発生します。それにともない、壁紙や床材の張り替えや、ドアなどの建具の設置も必要になるでしょう。キッチンや浴室、トイレなどの水回り設備の移動は、水道の配管や電気配線の工事も必要となることから、工事費用が高くなります。間取りを考えるときには水回りを移動させるべきか、リノベーションで叶えたい条件や予算をふまえたうえで検討するのがよいでしょう。
別の間取りに変更したいときの注意点やポイント
別の間取りに変更してリノベーションする場合には、次のような点に注意しましょう。
希望の場所に水回りを変更できないことも
マンションの床下の構造によっては、給排水管に勾配をつけられない場合も。そのため、キッチンやトイレ、洗面所などの水回りを希望の場所に移動できない可能性があります。水回りの移動を含むリノベーションを希望している場合には、あらかじめ移動しやすい構造になっているか、業者に現地調査を依頼するようにしましょう。
壁が撤去できない場合がある
建物を壁で支える「壁式構造」の場合には、撤去できない壁があります。撤去することで建物の耐震性に影響する恐れがあるためです。あらかじめ、構造的に撤去できない壁がないかどうか、施工会社に確認してみましょう。
管理規約で制限されている工事がある可能性も
マンションでリノベーションしたい場合、マンションの管理規約によっては施工できる工事が制限されることがあります。リノベーションを検討する際には管理組合に確認するようにしましょう。
具体的には、ベランダや玄関ドアの外側は共用部のため、たとえ部屋の所有者であってもリノベーションできないことがほとんどです。また、床についても、遮音性の面からフローリング材の種類が制限されていたり、リノベーションできないこともありますので注意しましょう。
将来の家族構成を見越した間取りにする
家族構成の変化などによってリノベーションを検討する場合、そのたびにリノベーションをしていては、費用の負担も大きくなってしまいます。現在は夫婦のみの家族であっても、将来、子供を持つことを予定しているのなら、あらかじめ子供部屋がつくれるような間取りにしておくのがおすすめです。
まとめ
3DKから別の間取りの部屋にリノベーションする際のメリットや費用相場、ポイントなどをご紹介しました。マンションの構造によっては、水回りの移動に制限がある、撤去できない壁があるなど、間取り変更を伴うリノベーションには注意点もあります。そのため、施工業者やマンションの管理組合とも相談しながらプランを考えるようにしましょう。ぜひ事例なども参考に、理想のおうちをつくってください。