ペントハウスとは?メリットやデメリット、リノベーション事例も紹介

物件探しなどで住宅に関する情報を収集している際に目にした「ペントハウス」という言葉。なんとなく聞いたことはあるものの、具体的にどのような部屋を指すのか、実際にどんなメリット、デメリットがあるのか分からない人も多いのでは。そこで今回は、そんな人に向けて、定義やメリット、デメリット、ペントハウスを探すときのポイントなどをご紹介します。

ペントハウスとは?
「ペントハウス」にはふたつの意味があり、一般的にはマンションの最上階にある高級な住戸を指します。また、すべてのマンションにペントハウスがあるとは限らず、ペントハウスがない物件のほうが一般的です。

ただしマンションの最上階にある住戸が、すべてペントハウスとみなされるわけではありません。基本的にペントハウスはワンフロアに数戸しかなく、同じマンション内のほかの住戸とは異なる特別な仕様が施されている住戸のことを指します。マンション内に1戸しかないケースもあり、そのマンションの象徴的存在とされるのが特徴です。

そのほか、ペントハウスは建物の屋上にある設備小屋を指すこともあります。たとえば、屋上に出るための階段室やエレベーターの機械室、空調機器、給水タンク置き場などに使われます。本記事では、前者の「マンションの最上階にある高級な住戸」という意味で用いられているペントハウスについて紹介します。

ペントハウスの特徴【間取り、設備、広さなど】
まずは、ペントハウスの間取りや設備、広さなどの特徴を説明します。

ペントハウスは、マンション内でも最上階に数戸しかない特別な住戸であるため、広い面積が確保されているのが特徴です。物件によっては、ワンフロアを専有しているケースもあり、専有面積が100㎡を超える住戸も珍しくありません。

専有面積が広いため、トイレがふたつ設置されていたり、フロアが上下階に分かれたメゾネットタイプになっていたりする場合もあります。ペントハウスは天井が高い場合が多いのも特徴です。一般的な住戸の天井高は2.5mほどですが、ペントハウスでは3mもの高さが取られていることも。全体的に空間が贅沢に使われていることがわかります。

さらにペントハウスでは、大理石が使用された最上級のキッチンやお風呂が備わっているなど、素材や設備についてもほかの住戸よりハイグレードなものが選ばれていることが多いでしょう。

ペントハウスに住むメリット
マンションに住むときに、同じマンション内にあるほかの住戸ではなく、ペントハウスを選ぶ理由は何なのでしょうか?ここではペントハウスに住むことで得られるメリットをご紹介します。

ペントハウスに住むこと自体がステータスになる
ペントハウスは高級な住戸であるため、住むこと自体が自身のステータスとなるのがメリットです。ペントハウスのなかには、いわゆる「億ション」と呼ばれるものも少なくありません。ひとつのマンションに1戸〜数戸しかないので希少性が高く、ほかの部屋よりもハイグレードな素材や設備が使われていることから高額になるためです。そのような高価なペントハウスを購入できるのは、それだけの経済力があることを意味します。したがって、ペントハウスに住むこと自体がステータスになると考える人も多いでしょう。

資産価値を維持しやすい
ペントハウスは購入後も資産価値を維持しやすいです。ペントハウスがあるようなマンションは、好立地に建築された物件が多いのが特徴です。たとえば街中とは思えないような、緑に囲まれた場所に立つ高級マンションや、駅近など交通アクセスがよい物件の最上階にある場合が多いです。

さらに素材や設備にもハイグレードなものが使用されているうえ、ひとつのマンションに数戸しかありません。ペントハウスがないマンションのほうが多いことを考えると、供給数が少ないことから希少価値が高くなります。

これらの理由から、資産価値は築年数に左右されにくい傾向があります。そのため、いざ売却しようとしたときに、高値で購入してもらえる可能性があるのです。

開放的な空間で暮らせる
ペントハウスはマンションのなかでも最上階に数戸しかないため、専有面積が広いケースが多く、ゆとりある空間設計がされているのが特徴です。たとえば、ペントハウスは一般的な住戸よりも天井が高いことが多く、床から天井までの高さがある、大きな窓が設置されていることも珍しくありません。窓が大きければ光を多く取り入れられるため、明るく開放感のある空間で暮らせます。

上下階に分かれたメゾネット形式のペントハウスなら、集合住宅にいながら2階建ての戸建てに住んでいるような感覚で暮らせるでしょう。

ルーフバルコニーが備わっているタイプであれば、大勢のゲストを招いて夜景を見ながらパーティーを楽しむことも可能。子供を遊ばせる、ガーデニングを楽しむなど、庭付きの住居に暮らしているような生活ができるでしょう。

プライバシーを守れる
ペントハウスはマンション最上階にあり、同じフロアの住戸数も少ないので、プライバシーを守りやすいです。ペントハウスがある物件では、ペントハウス居住者専用のオートロックを解除しなければ、同じマンションの住人であっても立ち入れないようにされているケースもあります。ワンフロアすべてペントハウスの場合には、専用エレベーターが用意されている物件もあるようです。

また最上階にあることから、住宅の外から中をのぞかれる心配があまりないといえます。外部からの視線を気にする必要がなければ、昼でも夜でもカーテンを開け放してのびのびと暮らせます。そのほか、マンションでは隣戸と騒音トラブルが発生することもありますが、ペントハウスでは防音対策がされていることも多いため、互いの生活音が気になることも少ないでしょう。

眺望がよいケースが多い
最上階にあるペントハウスは眺望の良さを楽しめるのも魅力です。広々とした開放的な空間から、遠くまで広がる景色を堪能することに、ペントハウスに住む醍醐味を感じる人も多いのではないでしょうか。夕日を楽しみながら食事をしたり、物件の立地によっては天空に広がる花火を楽しんだりできることもあるようです。

ただし眺望のよさは、物件によって異なります。たとえば周りに同じような高さのマンションがあれば、遠くまで見通せないかもしれません。マンションの立地や階数によっては、必ずしも眺望がよいとは限らないため、購入前に周辺環境をよくチェックすることが大切です。

ペントハウスに住むデメリット
メリットの多いペントハウスですが、デメリットもあります。購入を検討するときには、双方を比較することが大切です。ここではペントハウスに住むデメリットを紹介します。

物件価格が高額になる
同じマンション内でも、ペントハウスは物件価格が高額になる傾向があります。そもそもペントハウスを備えているようなマンションは、立地がよい場所に建てられていることが多いです。

そしてマンションは、階数の高さと専有面積の広さに応じて高額になるのが一般的であるため、ペントハウスは同じ物件内でも価格が高くなります。供給数が少なく希少価値が高いことも、物件価格が高額になる理由のひとつです。

ただし価格が高額であることは、資産価値が高いことを意味します。したがって、売却したくなったときにも、買い手を見つけやすい傾向があります。

共益費や管理費が高くなる傾向がある
ペントハウスは、同じマンション内のほかの住戸よりも、共益費や管理費が高くなる傾向があります。一般的にマンションの共益費や管理費は、専有面積の広さに応じて決まる場合が多いためです。

特にルーフバルコニーが設置されている場合は、使用料が別途発生するケースがあることも留意しておきましょう。ルーフテラスは「専有部分」ではなく「共用部分」にあたることが理由です。

地震でエレベーターが停止すると不便になる
地震が発生したときに停電すると、エレベーターが止まることがあります。エレベーターが止まると、避難する際には階段を使わなければなりませんが、ペントハウスは最上階にあるので時間がかかってしまうのもデメリットです。

停電が長引いた場合には、階段で上り下りすることが負担になるでしょう。そのため、日ごろから水や乾燥食品を備蓄しておくなど、停電したときの対策をあらかじめ検討することが大切です。

なお地震そのものの建物への影響は、一般的には低層階よりも上層階のほうが大きく揺れるとされています。ただし大きなマンションやタワーマンションでは、制震や免震構造が採用されている場合が多いです。マンションにどのような地震対策が取られているのか、購入時に確認しておくと安心です。

ペントハウスを探すときのポイント
ペントハウスはそもそもの供給数が少ないため、容易に見つかるものではありません。また、ペントハウスはバブル景気の時期に建てられたマンションに備わっていることが多いため、購入を検討するのであれば、新築物件だけでなく中古物件も視野に入れて探すのがおすすめです。

築年数が古い中古マンションであっても、内装をすべて撤去して間取りから再構築するフルリノベーションをおこなえば、設備やデザインを刷新したうえで理想の住まいをつくることができます。

まとめ
ペントハウスは希少性が高く、資産価値が高い、眺望がよいなどさまざまなメリットがあります。しかし供給数が少なく、新築物件はさらに希少だといえます。したがって、購入を希望する場合は「中古物件+リノベーション」も視野に入れると見つけやすくなるでしょう。ぜひ今回ご紹介した内容を参考に選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。