土間収納の魅力とは?設置前に考えたいポイントやリノベーション事例を紹介

自宅の土間に収納スペースを作る「土間収納」。収納スペースとしてだけでなく、作業場としても活用できるなど、数々のメリットがあります。そこで本記事では、土間収納の設置を検討している方に、土間収納の魅力や使い勝手の良い土間収納を作るためのポイントなどを解説。また、土間収納をリノベーションで実現した事例もご紹介しますので、ぜひご覧ください。

土間収納とは?その魅力を解説

「そもそも、土間とは何だろう?」と聞きなれない方もいらっしゃるかもしれません。土間とは、屋内でありながらも靴を履いたままで移動できるエリアのことです。玄関や勝手口で靴を脱ぎ履きする「たたき」のようなところが該当します。

住まいにおける土間は、室内と外をつなぐ機能的なエリアとして、玄関周りに配置されることが一般的です。近年では土間を広く取り、収納や趣味、家事の作業場としてのスペースを作る間取りが注目されています。

土間収納とは、まさにそのような土間に作った収納スペースのこと。外出用のコートや靴、スポーツ用品にベビーカー、自転車やテントなどのアウトドア用品まで、さまざまなものを収納できます。

土間収納にある自転車

また、生活動線にあわせた設計にすることで、外出時の身支度や帰宅後の片付けが楽になる点も魅力のひとつ。まとめると、以下のようなメリットがあります。

  • 大容量の物を収納でき、玄関周りをきれいに保てる
  • 外出時の準備、帰宅後の片付けが楽になる
  • アウトドア用品、スポーツ用品、ベビーカーなど大型のものまで収納できる
  • 濡れたレインコートや荷物を室内に持ち込まずにすむ
  • 物干しスペース、趣味の作業場スペース、子どもの遊び場として使える場合もある

なお、玄関まわりだけでなく、勝手口からつながる土間に、キッチンパントリーとして収納スペースを設けるケースもあります。

子どもの遊び道具を収納した土間

土間収納を作る前に考えたいポイント

土間収納を作る際にまず考えたいのは「何を収納するか」という点。収納するものをあらかじめ決めておくことで、土間収納に必要な広さや間取りが検討しやすくなります。家族構成や用途に合わせ、実際に使うシーンや生活動線を考えながら設計することが、使いやすい土間収納を作るポイントです。

そのうえで、以下のような要素を具体的に考えてみましょう。

一般的なスペースは1~2畳程度

土間収納の広さは1~2畳程度が一般的。狭すぎると物があふれてしまいます。将来家族が増えたり、子どもが成長したりして荷物が増えることも想定してください。一方、広すぎても有効活用できません。広さを持て余し、土間収納が生活スペースを圧迫したりしてしまっては本末転倒です。

最適なサイズは、家族構成やライフスタイル、収納したい物の量によって異なります。それらを具体的に想像しながら、必要なスペースを検討してみましょう。

動線タイプはニーズに合わせて選ぶ

土間収納には大きく分けて、出入口が1ヵ所の「ウォークイン」と、出入口が2ヵ所あり、通り抜けができる「ウォークスルー」、2つの動線タイプがあります。

ウォークインタイプは、収納力が高く、たくさんの物を収納したい人におすすめです。ただし、そのまま室内へ通り抜けできないため、動線にワンクッションあるのが面倒と思う方もいるかもしれません。

ウォークスルータイプは、外出時には室内から土間収納に入り、支度を整えてそのまま玄関へ抜けることができます。帰宅時も同様で、生活動線に沿って荷物をスムーズに片付けられる点がメリットだといえます。ただし、人が通り抜けるスペースを確保する分、一般的にウォークインタイプより収納力が劣ります。

土間収納

 収納棚は可動式がおすすめ

将来的に収納したい物の大きさが変わっても対応できるよう、棚板の位置を変更できる可動式の収納棚にするのがおすすめです。まずは大きな物を収納するスペースを確保し、その後、小さな物を収納するスペースを取るとよいでしょう。

ドアを設置する場合は引き戸がおすすめ

土間収納のドアは、引き戸が便利です。開き戸はドアを開けるためのスペースが必要で、開けたときにドアが邪魔になってしまいます。ただし、引き戸を取り付けるためには、横幅に少なくとも扉2枚分のスペースが必要です。

また、開口部が大きいほど荷物の出し入れはしやすくなりますが、間取りや、収納に使える面積によって、適切なドアのサイズは異なります。したがって、適したドアのタイプや大きさは、現地調査の際に、施工会社の担当者に相談してみましょう。なお、ドアを付けない場合は、ロールカーテンなどを付けて目隠しができるようにしておくとよいでしょう。

有孔ボードのある土間収納

土間収納にあると良いもの

土間収納を快適に使うために、備えておきたいものを紹介します。

照明

土間収納の中が暗いと荷物を探しにくくなってしまうので、照明を設置するとよいでしょう。明かりをとるために小窓を付けるという方法もありますが、収納している物が日光に当たって日焼けしてしまう可能性があるため注意が必要です。

換気扇

限られたスペースにいろいろなものを収納する土間収納では、湿気・カビ対策が大切です。換気扇を設置して、換気ができるようになっていると良いでしょう。換気のために窓を設置するなら、窓に発生した結露がカビの原因になってしまうことがあるため複層ガラスにするなどの対策が必要です。湿気対策としては調湿効果のある壁材を採用するのも効果的です。

コンセント

コンセントを設置しておけば、コードレス掃除機や電動アシスト自転車などを収納しながら充電できます。コンセントの取付け位置は、床がぬれていても危険がないよう、ある程度高い位置にするとよいでしょう。プラグを抜き差しする際も、かがまずにできるので腰への負担も少ないです。

ハンガーフック

コートなどの仮置き場所としてハンガーフックを付けておくと便利です。雨で衣服がぬれた場合も、部屋に持ち込まず、一時的にかけておくことができます。

広々とした土間

土間収納のリノベーション事例

土間を活用した収納スペースをリノベーションで実現する方法も。魅力ある土間収納を実現したリノベーション事例を紹介します。

アウトドアをもっと楽しめる土間収納

アウトドアを楽しめる土間収納

アウトドア好きなご家族のこだわりが詰まった、こちらのおうち。広々とした土間収納は、専用駐車場まで真っ直ぐつながっており、キャンプの際には、荷物を最短距離で運べるのだそう。家族5人分の靴もすっきりと収納できます。

動線のよさにこだわった土間収納

洗濯物干しがある土間収納

洗濯物を干せるアイアンバーが設置された、こちらの土間スペース。動線のよさにこだわり、玄関土間からLDKへとつながるように設置されています。広々とした可動棚には、アウトドアグッズや漫画などを収納。高さの揃ったボックスを活用することで、スッキリとした印象の土間収納が完成しました。

様々な用途でたっぷり使える土間収納

ハンガーラックのある土間収納

ペンダントライトが頭上を照らす、こちらの土間スペース。靴を収納できる棚のほか、コートをかけられるハンガーラックも設置されています。台風の日は自転車を避難させたり、パントリー代わりに飲料のストックを保管したりと、様々な用途で活躍しているようです。

まとめ

土間収納は高い収納力と使い勝手の良さが魅力です。家族構成やライフスタイルに合わせて、広さや動線タイプを考えると良いでしょう。また、照明や換気扇、コンセントなどを設置すると、より快適に使えるようになります。ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、土間収納の設置を考えてみてください。