1LDKのインテリアやレイアウトのポイントとは?

1LDKのインテリアに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本記事では、1LDKの間取りの特徴やインテリア、レイアウトのポイントについて解説します。また、実際にリノベーションをした事例についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてこだわりの空間を実現してください。

1LDKとは?

「LDK」はリビング・ダイニング・キッチンのことで、これらが1室にまとまっていることを指しています。1LDKはキッチンを含むスペースが8畳以上で居室が1部屋ある間取りのことを言います。キッチンを含むスペースの広さは8〜10畳が一般的で、専有面積は35~38㎡程度のことが多いでしょう。一般的には、ひとり暮らし、もしくはふたり暮らしの方が住むことが多いといえます。しかし、間取りや使い方次第ではファミリーで使用することも可能です。

1DK、2DKとの違い

まず1DKと1LDKの違いは居間の有無にあります。「DK(ダイニング・キッチン)」とは、「台所と食堂の機能がある部屋」のこと。「LDK(リビング・ダイニング・キッチン)」は「台所と食堂と居間の機能が1室に併存する部屋」のことを言います。つまり、居間としての機能があれば「LDK」、なければ「DK」ということになります。

また、1DKあるいは1LDKの場合、「キッチンを含むスペース以外にもう1部屋ある」ということになります。このキッチンを含むスペースが最低でも4.5畳ある場合は「1DK」、8畳あれば「1LDK」です。したがって、多くの場合、1LDKより1DKのほうが専有面積が小さい傾向にあり、そのぶん家賃を抑えやすいといえます。

一方、2DKは、1DKと同じく、キッチンを含むスペースが4.5~8畳未満で、それ以外に居室がふたつある間取りを指します。そのため、ひとつは寝室、もうひとつは仕事部屋や物置き部屋などのように、用途別に分けて使うことも可能です。

白いLDK

1LDKの間取りの特徴、インテリアやレイアウトのポイント

1LDKのお部屋にはどのような間取りがあるのでしょうか。それぞれの間取りの特徴やおすすめのレイアウトについてご紹介します。

1. 寝室とLDKが横並びのタイプ

寝室とLDKが横並びのタイプ

LDK部分と寝室が隣り合っている間取りは、一般的な1LDKで多く採用されています。

メリット

寝室とLDK間の移動がスムーズで生活動線を確保しやすいです。寝室の扉が大きい場合、開放すれば、広いワンルームとしても利用でき、生活空間を広く取ることができるでしょう。来客の少ない人や、単身者などに適したタイプです。

デメリット

ワンルームのように使用することもできる反面、LDKと寝室を繋ぐ扉が引き戸の場合には生活音が気になることも。生活リズムの異なる人と同居した場合、支障が出ることもあります。また、トイレや浴室、クローゼットなどの配置の関係で、一般的な専有面積35~38㎡の場合には寝室が小さく造られている間取りも多いです。その場合、ベッド以外の大型家具が設置しにくいというデメリットもあります。

レイアウトやインテリアのポイント

寝室の扉の形状をふまえてインテリアを考えるとよいでしょう。引き戸の場合は、扉を外して開放感のある空間にすることが可能です。その際、LDKと寝室のインテリアテイストを統一しておくとバランスよくまとまります。

開き戸の場合は、LDKとは異なるインテリアテイストにするのもおすすめ。LDKはポップな色使いにして、寝室はリラックスできるカラーで統一するなど、用途に応じた空間づくりを行うとよいでしょう。

間取り図を見ながら話し合う人

2. 寝室がLDKの奥の縦長タイプ

寝室がLDKの奥の縦長タイプ

寝室がLDKの奥に配置された間取りで、寝室が広めに取られていることもあります。部屋の位置によっては、窓が寝室にしかない場合もあります。

メリット

キッチンが対面式で寝室を向いている場合は、扉を開いておけば寝室のほうまで見渡せます。そのため、小さいお子様がいるファミリー層にもおすすめです。また、寝室が広めに設計されていることも多く、ゆったりとした空間がほしい人にも適しているでしょう。リビングスペースが広くつくられている間取りも多いため、ダイニングテーブルやソファーなどの大きい家具が配置しやすいこともメリットとして挙げられます。

デメリット

寝室に窓やベランダはあるものの、キッチンやリビングがあるLDK部分に窓がない場合があります。この場合、採光の問題がデメリットとなることがあります。また、寝室から玄関に行く場合、一度リビングを通らなければならない点も、生活パターンによってはデメリットとなるでしょう。水回りの設備が玄関側に集中することも多く、寝室からトイレまでの距離が遠い点は注意が必要です。

レイアウトやインテリアのポイント

寝室がLDKの奥にある縦長タイプの場合、バルコニーが寝室の短辺側にあることが多いです。この場合、玄関からバルコニーまでの動線を一直線に確保するとすっきり見えるでしょう。一般的に人が1人通るときの幅は60cm。その点をふまえて、壁と並行になるように家具を配置するのがおすすめです。

室内窓があるLDK

3. 廊下を挟んだ独立型タイプ

廊下を挟んだ独立型タイプ

LDKと個室が廊下を挟んでそれぞれ独立しているタイプは、寝室は建物の廊下に面することが多いです。そのため、寝室は北向きになる傾向があります。

メリット

寝室がリビングダイニングと離れているので、ふたり暮らしの場合にはそれぞれのプライベート空間をしっかりと確保できます。ふたりの就寝時間や、家で活動する時間帯が異なる場合でもストレスを感じにくいでしょう。

デメリット

寝室が日当たりの悪い北向きになってしまうことが多く、うす暗いこともあります。湿気が溜まりやすく、冬は寒さを感じやすい場合も。また、リビングと寝室が離れていることで、扉を開けてワンルームのように使うことはできません。広さにもよりますが、開放感を求めることは難しくなるでしょう。

レイアウトやインテリアのポイント

廊下を挟むタイプの場合には、LDKスペースに大きめの収納が用意されていることも多いため、これらをいかにフル活用できるかがポイントになります。中途半端な収納家具をあとから入れてしまうと、部屋がごちゃごちゃと見えてしまうため、暮らし方やものの量に合った収納計画が大切です。

ぬくもりある雰囲気の1LDK

4. メゾネットタイプ

メゾネットタイプ

LDKと寝室が2階層に分かれている間取りで、内階段のあるタイプです。

メリット

一般的なマンションやアパートよりも立体空間を感じることができ、一戸建てのような感覚で暮らすこともできます。また、1階部分と2階部分どちらにもバルコニーがある場合や、吹き抜けになっている場合には採光が取りやすいでしょう。

小さいお子様がいる場合に気になるのが足音などの騒音問題です。上下階に別の住居がある場合も、メゾネットの上階に子供部屋をつくることで、騒音問題を防ぎやすくなるでしょう。玄関と別の階に寝室をつくれば、プライベートをしっかり確保できる点も大きなメリットです。

デメリット

メゾネットタイプのデメリットは、家賃が高めに設定されていることが多い点です。そのため、経済的に余裕のある人向けの住まいと考えたほうがよいでしょう。また、室内に廊下があることで、使える面積が減ってしまうことや、家事のための動線が長くなりやすい点がデメリットです。

階段があることで、転落などの事故や、バリアフリー性の低さといった懸念点もあります。リビングと階段スペースが一体となっている場合には、冷暖房効率も悪くなりがちです。

レイアウトやインテリアのポイント

室内に階段があることで、家具や荷物の移動はメゾネットでないタイプの間取りよりも不便になります。家具を選ぶ際は、階段の幅を把握して、玄関以外の階層に持っていくことができるサイズか確認しましょう。可能であれば、組み立て式の家具を選んでおくと、階をまたいだ模様替えもスムーズに行えます。上下階の空間が分かれているため、階層ごとにインテリアテイストを変えることもできます。

広いキッチンがあるLDK

リノベーションなら広々とした1LDKにすることも可能

賃貸や新築の場合、1LDKの専有面積は35~38㎡が一般的ですが、リノベーションの場合、60㎡以上の広々とした1LDKをつくることも可能です。1LDKは、単身者やふたり暮らし向けのイメージが一般的ですが、空間のつくり方に工夫することでファミリーでも使いやすくなります。

また、LDK内に小上がりやオフィススペースを設けるなど、ライフスタイルに合わせたつくりにするのもよいでしょう。将来、家族構成が変わる可能性がある場合には、その点を見据えた家づくりをすることもできます。

ペイントされたLDK

【事例】リノベーションで叶えた理想の1LDK空間

前述したように、リノベーションであれば間取りを自由につくることができます。また、中古物件を購入してリノベーションするという方法なら、建物の購入費用を抑えながら、間取りやデザインを自分好みに変更できるでしょう。そこで、実際の事例から、リノベーションだからこそ実現できた1LDKの空間をご紹介します。

ひとり暮らしの事例

まずは、ひとり暮らしで理想の1LDKを完成させた事例から紹介します。

変形の角部屋を活かした1LDK

床材を斜め張りにした1LDK

物件のカタチが「変形」していて、リノベーションではこの形状をいかに活かすかがポイントだったそうです。窓側をL字に使い、採光が取りやすいLDKに仕上げました。浴室・洗面室の水回りはすべて壁側へ配置。リビングの床は一段下げ、キッチン側との高低差で視覚的な広がりと天井高を確保しました。

床材は、玄関の間口に対して平行になるよう敷き詰め、斜め貼りに。これにより、視覚的に広がりを持たせています。このような視覚効果を狙った床材の貼り方など、デメリットをメリットに変えるリノベーションを実現させています。

 

広々スペースに愛猫のキャットウォークを設置

オリジナルのキャットウォークを設けた1LDK

愛猫との暮らしを楽しめるように、リノベーションされた、こちらのおうち。猫ちゃんの日課でもある日向ぼっこを考慮し、日当たりの良い物件を選びました。オリジナルのキャットウォークは、LDKの壁と天井をぐるりと囲むように設置。飽きることなく遊び続けられるように工夫を凝らしています。

リビングに隣接する寝室はキャットウォークからの出入りも自由にできるように。室内窓を設置することで採光の確保や換気も可能です。猫ちゃんが出入りできないよう独立させたキッチンにも、室内窓を設置。愛猫の様子を見守りながら料理ができる空間を実現しています。

ふたり暮らしの事例

続いてご紹介するのは、ふたり暮らしの事例です。ふたりの趣味やライフスタイルに合った、理想の空間づくりを実現しています。

部屋を格子で仕切った京の通り庭を思わせるデザイン

京の通り庭を思わせるデザインの1LDK

「ゲストをもてなす空間づくり」を理想とし、玄関には京町屋を思わせる「通り庭」を設置。室内はワンルームのような1LDKで、空間を格子で仕切ることにより開放感が生まれました。寝室のロフトは、収納スペースとしてだけでなく、くつろげる部屋としても使えるように天井高を確保。愛猫のキャットウォークのような場所としても活躍しています。

可変性のある扉で使い勝手をよくした1LDK

可変性のある扉で仕切られた1LDK

こちらの住まいの特徴は「可変性のある扉」。開放的なLDKの隣に配置された寝室を仕切っていますが、扉を開けてワンルームにすることができます。ご夫婦のどちらかが先に寝たいときは、仕切ってベッドスペースだけ消灯。状況に応じて使い分けをしているそうです。

また、ウォークインクローゼットにもこだわりが詰まっています。室内窓を設置し、服や時計、サングラスなどのアイテムが見えるように。まるでショップのような空間は、インテリアの一部となっています。

LDKの一部をオフィススペースに

オフィススペースを設けた1LDK

毎日おうちでお仕事をされているご夫婦。奥様の夢であった海の近くのマイホームを中古マンションのリノベーションで手に入れました。ワークスペースには腰壁を設置。生活スペースと分けながらも、採光や自然の風を取り込むことのできる、開放感のある空間を実現しました。

ファミリーの事例

ファミリーで1LDKは狭いのでは?という固定観念を覆すアイディア満載のリノベーション事例をご紹介します。

将来的な用途を想定してつくられた1LDK

将来的な用途をふまえて作られた1LDK

こちらのおうちは廊下のない間取りが特徴で、玄関からLDKの奥まで一続きになっています。また、ベッドルームも注目ポイント。将来、2人のお子様に個室が必要になったら、それぞれの子供部屋にできるようにしています。ひとつの部屋の中で照明回路を2つに分け、スイッチも部屋の中間と手前に設置。それぞれオンオフができるようにしてあります。子供の成長により暮らし方が変わることを想定して、リノベーション工事に組み込んだそうです。

小上がりを設けて寝室や子供の遊び場に

小上がりを設けた1LDK

家族みんなで過ごす時間を大切にしたいという想いから、75.75m²の広々とした1LDKを実現しました。対面キッチンの正面にはブルーのカーペットが目を惹く小上がりを設置。昼はお子様の勉強や遊びのスペースに。夜は家族で寝るスペースとして活用しているのだそう。

また、最初のリノベーションから5年経ち、2度目のリノベーションを実施。購入時のまま残しておいた部屋を、子供部屋に変更するためです。お子様の成長と家での過ごし方に合わせ、最適解が出せるタイミングでの改修となりました。

まとめ

1LDKについて、以下のポイントからご紹介しました。

  • 1LDKの広さや特徴
  • 1LDKの間取りのタイプ
  • リノベーションで叶える理想の1LDK空間

1LDKと一口にいっても、部屋の配置によって使い勝手は異なります。生活スタイルや、同居する人数などに合わせて暮らしやすいレイアウトを選ぶとよいでしょう。また、リノベーションすることで、理想の1LDK空間をつくることもできます。中古物件を購入したリノベーションであれば、費用も抑えながら、自分好みの空間づくりもできるでしょう。